先日、航空自衛隊の司令部で働いていた人と話す機会があったのですが、なるほどー!と思ったことがありました。
雑談のなかで出てきた話題なのですが、一言でいうと、災害時に「助けを求める技術」って大事だよね、それって普段から「自分で考えること」「相手の立場になって伝えること」ができてないといけないね、っていうお話でした。
震災が起こったとき、もし被災者じゃなかったら、「何か自分にできることをしたい」「被災地に物資を送りたい」と思っても何が必要なのかピンとこなかったりしますよね。
食べ物がないだろうと思っておにぎりを送ったら、食べ物は足りていて、そのおにぎりは余って腐らせてしまったという話もあったらしいし、たとえば私は子供のいる家庭に必要なモノって、細かいところまでは想像がつかない。
ちなみに…、食べ物や水は自衛隊がすぐに供給するので、被災地で足りない状況というのはほとんどないそうです。食べ物がない場所というのは、自衛隊すら到着できていない場所ということになります。
果たして自分が被災した場合、どうしたら見つけてもらえるか、伝える方法を考え出さなければなりません。
校庭にSOSの文字を書いたり、煙で知らせてみたり、条件がゆるすなら隣町まで歩いてみたり、ネットがつながるならSNSで助けを求めたり…。
その場その時の状況で、とるべきベストな行動は変わってきますが、一貫して大事なのは自分で「考えること」ができるかどうか。
普段、ググるだけで考えた気になっていると、案外サバイバル能力がなかったことに気が付く…って恐ろしいよねっていう。
んで。
コンタクトがとれたあとのことですが、助けを求める際のヒントをもらいました。
何が足りないか?それは、地域によって違うわけです。もっと言えば、人間ひとりひとりに「必要なもの」「足りていないもの」は違います。
当たり前のことなのですが、パニックになっていると、単純に「助けてください!助けてください!」しか言えなかったりするのです。
では、どうしたらいいか?
シンプルなんですけど、「自分が何が欲しいのか、何をしてほしいのか」を伝えるんです。「私はこれが必要です」「この地域にはこれが足りてません」と伝えるんです。
もっと言えば、避難している人たちの様子を伝えること。これが重要なんだそうです。
そうすると、救助のプロが何が必要か判断してくれます。
乳幼児や高齢者の人数は?
男女比は?力仕事ができないということが分かれば、人を派遣できます。
障がい者や要介護者が何人いるか?人的な助けがどのくらい必要かわかります。
けがをしている人はいるか?熱のある人はいるか?
持病のある人はいるのか?薬は何がどのくらい必要なのか、判断してもらえます。
何日間ごはんを食べていないか?
などなど…
そういった情報があると、助けに行く人たちも何をもっていったらいいのかがわかります。
これは本当に基本的なことで、じつは状況を確認するためにまず人を派遣するところから始まるころも多いと聞きました。
うまく伝えられる人(「話の分かる人」ってことですね…)を現地に入れることから始めなければならない。
気持ちばかりが焦って、本当に必要なものの到着が遅れてしまっては、お互いに悲しいですよね。
相手が状況把握をしやすいように伝えるというのは、「相手の立場になって考える」ことが必要です。
SNSでも「これが足りません」「これは余っています」という情報を流すことができるようになって、ずいぶん流通も素早くなったかと思いますが、たすける側としては根本的なところの情報がほしいものですよね。
まさに、情報を受け取る側の状況にも想像力を働かせることの大切さ、ですね。
大きな意味で、「伝えること」と「何を伝えるか」「どう伝えるか」って大事だなぁと再確認しました。